こんにちは。あらすじブックマーク、管理人の「おうみ」です。
フランス生まれのファンタジー小説『ペギー・スー』、気になりますよね。私も昔読んだのですが、このシリーズ、実は途中でガラッと雰囲気が変わるんです。「結局、小説は完結してるの?」とか「アニメ化の話はどうなった?」、「登場人物のセバスチャンや青い犬の活躍は?」など、気になる点が多いと思います。
特に日本語版は全11巻の順番で刊行されていますが、その結末がどうなっているのか、知りたい方もいるかもしれません。この記事では、そんな『ペギー・スー』シリーズ全体の流れや、ちょっと不思議な世界観について、私の知っている範囲でまとめてみました。
- 『ペギー・スー』シリーズ全体のあらすじ
- 物語のジャンルが変わる独特な世界観
- 主要な登場人物と彼らの関係性
- 日本語版の完結状況やアニメ化の噂
ペギースーの小説あらすじと世界観

まずは、『ペギー・スー』がどんな物語なのか、シリーズ全体のあらすじと、そのかなり特徴的な世界観について掘り下げてみますね。
シリーズの基本的な物語
『ペギー・スー』シリーズは、フランスの多作な作家として知られるセルジュ・ブリュソロさんによって、2001年から刊行が開始されたジュニア向けファンタジー小説です。世界30ヶ国語以上に翻訳されているというから、すごい人気ですよね。
日本では角川文庫や、特に角川つばさ文庫からも刊行されていたので、児童書として手に取ったことがある方も多いかもしれません。
この作品のジャンルは「奇想天外ヒロイン・ファンタジー」なんて評されています。その名の通り、本当に「おどろきの事件がつぎつぎとおこり」、予測不可能な展開の連続で、まさに「ドキドキ&ワクワク」が止まらない物語でした。
物語の基本的なスタート地点は、主人公の少女ペギー・スーが、ごく普通の生活を送っているように見えて、実は「地球上でただひとり、悪いお化け<見えざる者>が見える」という、とんでもない特異体質を持っているところにあります。
この「他の人には見えないものが見えてしまう」能力のせいで、彼女は否応なく不可思議な戦いや、奇妙な冒険の世界に足を踏み入れていくことになるんです。これが、全ての冒険の始まりですね。
参考までに、日本で刊行された全11巻のタイトルを一覧にまとめてみました。タイトルだけでも、なんとなく冒険のスケール感が伝わってくるかもしれません。
| 巻数 | 日本語タイトル |
|---|---|
| 1巻 | ペギー・スーi 魔法の瞳をもつ少女 |
| 2巻 | ペギー・スーii 蜃気楼の国へ飛ぶ |
| 3巻 | ペギー・スーiii 幸福を運ぶ魔法の蝶 |
| 4巻 | ペギー・スーiv 魔法にかけられた動物園 |
| 5巻 | ペギー・スーv 黒い城の恐ろしい謎 |
| 6巻 | ペギー・スーvi 宇宙の果ての惑星怪物 |
| 7巻 | ペギー・スーvii ドラゴンの涙と永遠の魔法 |
| 8巻 | ペギー・スーviii 赤いジャングルと秘密の学校 |
| 9巻 | ペギー・スーix 光の罠と明かされた秘密 |
| 10巻 | ペギー・スー(10) 魔法の星の嫌われ王女 |
| 11巻 | ペギー・スー(11) 呪われたサーカス団の神様 |
物語の壮大なあらすじ
このシリーズの「あらすじ」が面白いのは、巻が進むにつれて物語の前提がガラッと変わってしまうところなんです。
まず、初期(1巻~3巻)は、まさに王道のヒロイン・ファンタジーです。「悪いお化け<見えざる者>」を唯一見ることができる少女として、その「魔法の瞳」を使った能力で戦う…という、ゴースト・ファンタジー的な始まり方なんですね。
ところが、3巻で一区切りついた後の4巻『魔法にかけられた動物園』になると、敵が「ゼータ星人という宇宙人」になり、物語に明確にSF(サイエンス・フィクション)の要素が入ってきます。
そして決定的なのが5巻『黒い城の恐ろしい謎』です。なんと、ペギーのアイデンティティでもあった「魔法の瞳」を含む特殊能力が、すべて「治されてしまう」んです。彼女は「完全に『普通の少女』のはず」になってしまいます。
能力を失った彼女が次に冒険するのは、6巻『宇宙の果ての惑星怪物』で描かれる「宇宙の果て」の惑星。物語はここから完全にSF、あるいはスペースオペラへと大きく舵を切ります。
ジャンルの大転換について
お化け退治(ファンタジー)から宇宙人との戦い、そして惑星間冒険(SF)へ…という、この急激な設定の変更とジャンルの飛躍こそが、本作の「奇想天外」さの源泉かなと思います。
一部の読者からは「設定のむちゃくちゃさ加減は大人にはつらい」なんて声もあるほど、ダイナミックなあらすじ展開ですね。
魔法の瞳をもつ少女の戦い

シリーズ初期、特に第1巻のタイトルが『魔法の瞳をもつ少女』である通り、ペギーの「視線」が強力な武器でした。
彼女の瞳は、普通の人には見えない「見えざる者」を捉えるだけでなく、視線を送るだけでダメージを与えられたんです。まさに魔法の力ですよね。
でも、私がこの作品で一番好きなテーマは、彼女がこの力を失った後にあるかなと思います。
ペギー自身が「魔法なんてごまかしよ!」「私は自分の力で切り抜けるほうが好き」と言い切るシーンがあるんですが、特殊能力に頼らず、自分の勇気と決断で困難に立ち向かう姿が、すごく魅力的でした。
児童書としての魅力と特徴
このシリーズは、日本では角川つばさ文庫などからも刊行されていて、いわゆる「児童書」のカテゴリに入ることが多いですね。
特に「女の子が楽しく読める」点が推奨されていますが、その理由は主人公ペギー・スーのキャラクター性にあると思います。
彼女は、誰かに助けられるのを待つヒロインではなく、自ら主体的・積極的に行動するんです。パートナーの男の子に命令されるのが大嫌いで、ハッキリと自分の意見を言う自立心の強さを持っています。
豆知識:ドロシーよりも積極的?
あるレビューでは、『オズの魔法使い』のドロシーよりも「相当積極的・主導的」と評されているほど。頼もしい主人公ですよね。
シリアスで怖い描写もある?
「児童書」と聞くと、ほのぼのした物語を想像するかもしれませんが、『ペギー・スー』はちょっと違います。
特にSF路線が強まる6巻『宇宙の果ての惑星怪物』では、かなりシリアスな展開が待っていました。
舞台となる惑星が実は「怪物の卵」で、そこに住む人間の子供たちをエサにして成長する…という、結構ショッキングな設定なんです。
中には「グロテスクな描写」と感じられる部分や、貧富の差といった「大人の事情」も絡んできて、ただの冒険譚では終わらない深さ(と、ちょっとした怖さ)がありますね。
ペギースー小説あらすじ以外の疑問

物語のあらすじが分かると、今度は「シリーズって全部読めるの?」とか「アニメ化は?」といった、作品周辺の疑問も出てきますよね。私も気になって調べた情報をまとめます。
小説は完結した?日本語版の状況
さて、ここが一番重要なポイントかもしれません。『ペギー・スー』の小説は、残念ながら日本語版は「完結」していません。
日本では2002年から2012年にかけて全11巻が刊行されたのですが、原書であるフランス版は(少なくとも)12巻が刊行されているようです。
つまり、日本語訳はシリーズの途中で中断してしまっている状態なんですね。
注意:結末は読めません
日本語版の最終巻(11巻)は、最大の謎を残したまま終わってしまいます。(詳しくは次のレビューの項目で…)今から読み始める方は、物語が完結していない点に注意が必要ですね。
読者の感想 ・レビューまとめ

このシリーズ、読者の感想やレビューを見てみると、評価が結構「大好き!」という熱いものと、「ちょっと戸惑った…」というものに分かれる印象ですね。
特に高評価なのは、やはり主人公ペギー・スーのキャラクター性です。
彼女は「自立心が強く」「男の子に命令されるのが大嫌い」と明言するほど主体的な少女。パートナーのセバスチャンが主導権を握ろうとすると痛烈に批判したり、特殊能力を失っても「自分の力で切り抜けるほうが好き」と言い切ったりする姿が、「読んでいて清々しい」「応援したくなる」と支持されているようです。
そして、もう一つの絶賛ポイントが、「青い犬」との絆。「青い犬との相性抜群」というレビューも多いんですが、彼は単なるペットではなく、テレパシーで会話し、危険を察知する最高のパートナーです。
豆知識:原書のタイトルが変わるほどの重要性
実は、原書(フランス語版)は10巻からシリーズタイトルが『PEGGY SUE ET LU CHIEN BLUE』(ペギー・スーと青い犬)に変更されています。不安定な人間関係の中で、唯一変わらずペギーを支え続ける彼こそが「真の主人公」の一人だと、物語が結論付けた証拠かもしれませんね。
一方で、賛否が分かれるのが、やはり物語中盤からの「設定のむちゃくちゃさ加減」です(笑)。
ファンタジーからSFへ移行するジャンル・シフトもそうですが、家族設定の変更もかなりダイナミック。育ての親(ケイティーおばあちゃん)が実は他人だったり、実の父親が「『見えざる者』に殺された」と説明されたのに、次の巻で「本当は生きています」とあっさり覆ったり…。このジェットコースター展開が「奇想天外で面白い」という声と、「大人にはついていくのがつらい」という声に分かれるようです。
そして、日本語版最終11巻の感想でほぼ共通しているのが、衝撃的な結末(クリフハンガー)についてです。
7巻で狼になって失踪したはずの主要キャラクター、セバスチャンが、11巻の本当に最後の最後で、人間の姿で「突然再登場」するんです。
彼がどうやって戻ってきたのか、なぜ今現れたのか、その理由は一切明かされないまま日本語版は幕を閉じます。「え、ここで終わり!?」という、続きが気になりすぎる終わり方として、多くの読者の記憶に刻まれているみたいですね。
『龍とそばかすの姫』との違い
「ペギースー」と検索すると、細田守監督のアニメ映画『竜とそばかすの姫』(2021年公開)が一緒に出てくることがあります。
これは、映画の劇中に出てくる仮想世界「U」の登場人物(アバター)の一人に、「ペギー・スー」という名前のキャラクターがいるからなんですね。
もちろん、これは同名の別キャラクターであり、セルジュ・ブリュソロさんの小説シリーズとは一切関係ありませんので、混同しないようにしたいですね。
アニメ化や歌のプロジェクトは?
『ペギー・スー』のアニメ化についても、気になっている方が多いようです。実は、過去に一度、日本で劇場アニメ化のプロジェクトが発表されたことがあるんです。
2006年に、第2巻『蜃気楼の国へ飛ぶ』を原作とした劇場アニメが2008年公開を目指して制作発表されました。…が、残念ながら2024年現在、このアニメプロジェクトは実現していないようです。続報がないまま立ち消えになってしまったみたいですね…。
「ペギー・スーの歌」は映画のこと?
また、「ペギースー」と「歌」というキーワードで検索すると、1986年のアメリカ映画『ペギー・スーの結婚』(原題: Peggy Sue Got Married)がヒットすることがあります。
これはフランシス・フォード・コッポラ監督の作品で、同窓会で倒れた主人公が高校時代にタイムスリップする…という、まったく別の物語です。
名前が同じ(ペギー・スー)というだけで、セルジュ・ブリュソロさんの小説とは全く関係のない作品ですね。この映画の主題歌や挿入歌を探している方が「歌」と検索しているのかもしれません。
ペギースー小説あらすじの総括
さて、今回は『ペギー・スー』の小説あらすじについて、私なりにまとめてみましたが、いかがでしたでしょうか。
このシリーズのあらすじを一言でいうと、「魔法少女ファンタジーから始まり、壮大なSFスペースオペラへ移行する、奇想天外な物語」といった感じかなと思います。
主人公ペギーの自立した格好良さと、頼れる相棒の青い犬、そして「むちゃくちゃ」とも言われるほどの怒涛の展開が魅力の作品です。
日本語版が未完結で、最大の謎を残して終わっているのは本当に残念ですが、その「未完」の部分も含めて、多くの読者の記憶に残る強烈なインパクトを持ったシリーズだと、私は思いますね。

