こんにちは。あらすじブックマーク、管理人の「おうみ」です。
あさのあつこ先生の代表作であるNO.6の小説に関するあらすじや結末が気になって、検索からこの記事にたどり着いてくださったのではないでしょうか。アニメを見て原作との違いを知りたくなった方や、昔読んだ物語の感動をもう一度思い出したい方、そしてこれから読むためにネタバレを含む詳細な情報を求めている方もいると思います。
長年にわたり愛され続けるこの作品には、単なるディストピア小説という枠には収まらない、紫苑とネズミという二人の少年の魂の交流や、過酷な運命に立ち向かう人々の姿が描かれています。
- 全9巻にわたる壮大な物語のあらすじと結末までを把握できる
- 紫苑とネズミをはじめとする個性的な登場人物の魅力を再確認できる
- アニメ版と原作小説の決定的な違いや省略された描写がわかる
- 完結後の物語を描いた続編や最新作の情報まで網羅的に知ることができる
NO.6小説のあらすじと魅力を徹底解説

ここからは、あさのあつこ先生が描く近未来SF小説『NO.6』の具体的なストーリーと、物語を輝かせる要素について詳しく解説していきます。理想都市の虚構と、その外側に広がる過酷な現実。二つの世界が交錯するところから物語は動き出します。
全巻のあらすじを流れで紹介
物語は、2013年の台風の夜から始まります。理想都市「NO.6」のエリート居住区「クロノス」に住む12歳の少年・紫苑(シオン)は、部屋に侵入してきた傷ついた少年・ネズミと出会います。紫苑は彼が矯正施設から逃げ出した犯罪者(VC)であることを知りながらも、その傷を手当てし、一晩匿いました。この些細な、しかし運命的な行動が露見したことで、紫苑はエリートとしてのすべての特権を剥奪され、下町の「ロストタウン」へと追放されてしまいます。
それから4年後、16歳になった紫苑は公園管理の仕事をしていましたが、そこで人の体が急激に老化して死に至るという奇怪な事件に遭遇します。この「寄生バチ」による怪死事件に関わったことで、紫苑自身も当局に疑われ、矯正施設へと連行されそうになります。絶体絶命の危機を救ったのは、かつて助けたあのネズミでした。

二人はNO.6の壁を越え、スラム街である「西ブロック」へと逃げ延びます。ここから、紫苑の生き残りをかけたサバイバルと、NO.6の隠された真実を暴く戦いが始まります。西ブロックでの過酷な生活の中で、紫苑自身も寄生バチに侵されますが、ネズミの荒療治によって一命を取り留めます。その代償として、紫苑の髪は白く、体には赤い傷跡が残りました。
物語のターニングポイント
紫苑が生き延びたことで、二人の関係は「借りを返した」だけの関係から、互いの魂を支え合う唯一無二のパートナーへと変化していきます。
やがて、紫苑の幼馴染である沙布(サフ)がNO.6に拉致されたことを知った二人は、彼女を救うために「地獄」と呼ばれる矯正施設への潜入を決意します。そこは、市民を実験台にする恐ろしい場所でした。数々の困難を乗り越え、最上階にたどり着いた二人を待っていたのは、マザーコンピューターと融合させられた沙布の悲劇的な姿と、都市の残酷な真実でした。
物語を彩る魅力的な登場人物
『NO.6』の最大の魅力は、過酷な運命の中で変化し、成長していくキャラクターたちにあります。
紫苑(シオン)
本作の主人公。元々は純粋培養のエリートでしたが、ネズミとの出会いや西ブロックでの生活を経て、驚くべき適応能力を見せます。普段は天然で穏やかな性格ですが、ネズミを守るためなら冷徹な判断を下し、時には敵の命を奪うことも躊躇しない危うい一面(いわゆる「闇堕ち」要素)も持ち合わせています。
ネズミ
西ブロックで生きる少年で、もう一人の主人公。舞台役者「イヴ」として美しい歌声で人々を魅了する一方、ナイフの扱いに長けた戦士でもあります。NO.6に対して激しい憎悪を抱いていますが、紫苑の真っ直ぐな心に触れ、復讐心と紫苑を守りたいという想いの間で揺れ動きます。
沙布(サフ)
紫苑の幼馴染で、彼に一途な想いを寄せる少女。物語の中盤でNO.6のサンプルとして捕らえられ、悲劇のヒロインとなります。彼女の存在と最期が、紫苑とネズミにNO.6を破壊する決定的な決断をさせることになります。
イヌカシと力河(リキガ)
西ブロックで二人を助ける仲間たち。イヌカシは犬を使って情報を集める「犬貸し屋」、力河は元新聞記者の情報屋です。彼らとの交流が、殺伐とした物語の中で人間味あふれる温かさを添えています。
アニメと原作小説の違いを検証

2011年に放送されたアニメ版は非常に人気がありましたが、尺の都合上、原作小説とは異なる点や省略されたエピソードがいくつか存在します。これから原作を読む方は、以下の違いを知っておくとより楽しめるでしょう。
| 比較項目 | 原作小説 | アニメ版 |
|---|---|---|
| ストーリーの長さ | 全9巻+外伝+続編(詳細な心理描写あり) | 全11話(展開が駆け足) |
| 紫苑の性格 | 後半につれて冷酷さや狂気が露わになる | 比較的マイルドでヒーロー性が強い |
| 結末の演出 | 現実的な別れと再生の物語 | 超自然的な演出が多く、紫苑が蘇る描写も |
| 二人の関係性 | 精神的な結びつきを丁寧に描写 | 視覚的にドラマチックな演出が強化されている |
特に大きな違いは、紫苑の内面描写です。原作では、彼が修羅の世界に適応していく中で、エリート特有の傲慢さや残酷さが顔を出す場面が丁寧に描かれています。ネズミがそんな紫苑を恐れながらも惹かれていくという、ヒリヒリするような関係性は小説ならではの読みどころです。
アニメのキスシーンについて
最終話のキスシーンはアニメ版で非常に話題になりましたが、原作でも「再会を必ず」という言葉と共に口づけを交わすシーンが存在します。これは恋愛感情という単純な言葉では括れない、魂の契約のような儀式として描かれています。
NO.6小説のあらすじや結末を深掘り
物語の核心に迫る部分です。NO.6はハッピーエンドなのか、それともバッドエンドなのか。そして、完結後の二人はどうなったのか。多くの読者が気になっている結末について詳しく見ていきましょう。
感動の結末とネタバレを解説

物語のクライマックス、紫苑とネズミは矯正施設の中枢にあるマザーコンピューターを破壊します。しかし、沙布を救い出すことはできませんでした。彼女は既にシステムの一部となっており、自らの意思で「破壊」を望んだのです。
NO.6を囲んでいた壁は崩壊し、都市の機能は停止します。解放された市民とスラムの住人が入り混じる混乱の中、紫苑は都市に残り、その知能を生かして再建と人命救助に尽力することを決めます。一方で、ネズミは都市を去ることを選びます。「破壊」を担った自分は、「再生」の場にはふさわしくないと判断したため、そして自身の過去と向き合う旅に出るためです。
別れの朝、ネズミは紫苑にキスをし、「再会を必ず」という約束を残して廃墟の向こうへと去っていきます。決して手放しに喜べるハッピーエンドではありませんが、絶望の中で未来への希望を繋ぐ、美しくも切ないラストシーンです。
その後の物語:『beyond』と『再会』
本編完結後には外伝『NO.6 beyond』が、そしてさらに時を経て続編『NO.6 再会』が刊行されています。これらでは、離れ離れになった二人がそれぞれの場所で生き抜き、やがて約束通り再会を果たす様子が描かれています。
読者の感想やレビューを分析
『NO.6』は多くの熱狂的なファンを持つ一方で、その独特な世界観や描写に対しては賛否が分かれることもあります。読者のリアルな声を、良い評価と厳しい意見の両面から分析してみました。
まず、肯定的な評価としては、やはりキャラクターの心理描写や関係性の深さを挙げる声が圧倒的です。
- 「二人の関係性が尊すぎて胸が苦しい。単なる友情や恋愛という枠を超えた、人間同士の究極の魂の結びつきを見た。」
- 「児童文学とは思えないほどテーマが重厚。管理社会の恐ろしさや、異質なものを排除しようとする心理描写がリアルで考えさせられる。」
- 「ラストシーンでは涙が止まらなかった。いつか必ず再会してほしいと願い続けていたので、10年以上経ってからの続編には感動した。」
一方で、否定的な意見や戸惑いの声も見受けられます。特にSF設定の緻密さや、独特の作風に関しては好みが分かれるようです。
- 「SF小説として読むと、科学的な設定や都市のシステムに粗さを感じる部分がある。論理的なSFよりも、雰囲気や感情重視のファンタジーに近い。」
- 「二人の距離感が近すぎて、どうしてもBL(ボーイズラブ)っぽく見えてしまい、物語に集中できない時があった。」
- 「登場人物の台詞回しが演劇的で、少しキザに感じてしまうこともしばしば。この独特の『あさの節』が肌に合わないと読み進めるのが辛いかもしれない。」
総評:刺さる人には一生モノの作品
厳密なハードSFを求める方や、男性同士の濃密な感情描写が苦手な方には少しハードルが高いかもしれません。しかし、キャラクターの感情の揺れ動きや、ディストピアにおける「救済」というテーマに惹かれる方にとっては、他には代えがたい名作となるでしょう。
原作小説や続編はどこで読めるか
現在、『NO.6』の原作小説は講談社文庫から全9巻が発売されています。また、外伝『beyond』も文庫化されており、入手は容易です。書店やAmazonなどのオンラインショップ、電子書籍ストアでも購入可能です。もし電子書籍で一気読みするなら、頻繁にクーポン配布やポイント還元キャンペーンが行われているDMMブックスが個人的にはお得でおすすめです。
続編『再会』について
最新の続編である『NO.6 再会』シリーズは、刊行が比較的新しいため、書店によっては在庫がない場合もあります。確実に手に入れたい場合は、ネット書店での注文や電子書籍の利用が確実です。
また、木乃ひのき先生による漫画版も全9巻で完結しており、こちらは原作の雰囲気を非常に忠実に再現していると評判です。活字が苦手な方は漫画版から入るのも一つの手ですね。
NO.6小説のあらすじと見どころまとめ
今回は、あさのあつこ先生の『NO.6』について、あらすじや結末、アニメとの違いなどを解説してきました。最後に改めて見どころを振り返ります。
- 完璧に見えた理想都市の闇を暴く、スリリングなサスペンスとアクション。
- 紫苑とネズミ、正反対の二人が魂レベルで惹かれ合い、支え合う「絆」の物語。
- 主人公・紫苑の純粋さと狂気が入り混じる、人間臭い成長と変貌。
- 「再会を必ず」という約束が、長い時を経て続編で果たされる感動。
『NO.6』は、一度読み始めたら止まらない引力を持った作品です。もしアニメだけで終わっている方がいれば、ぜひ原作小説を手に取ってみてください。そこには、映像では描き切れなかったキャラクターたちの深い心理描写と、より濃厚なドラマが待っています。


