「赤ずきん、旅の途中で死体と出会う。」小説のあらすじと感想

青柳碧人さんが作者の小説「赤ずきん、旅の途中で死体と出会う。」について、詳しいあらすじや登場人物が気になっていませんか。有名な童話の世界観をベースにしているため、シンデレラなどのキャラクターがどう描かれているのか、その相関図も知りたいところです。また、実際に読んだ人々の読者の感想や、続編が出ているのかも気になります。この作品はどこで読めるのか、お得な試し読みの方法があるのかも調査しました。

この記事で分かること

小説「赤ずきん、旅の途中で死体と出会う。」の章ごとの詳しいあらすじ
原作とは異なるユニークな登場人物たちの設定と魅力
実際に作品を読んだ人々のリアルな感想と評価
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小説「赤ずきん、旅の途中で死体と出会う。」のあらすじと魅力
小説「赤ずきん、旅の途中で死体と出会う。」あらすじ以外の情報

小説「赤ずきん、旅の途中で死体と出会う。」のあらすじと魅力

物語はどんな内容？あらすじ紹介
登場人物と相関図を解説
第1章シンデレラ編の概要
第2章以降の収録作品一覧

物語はどんな内容？あらすじ紹介

『赤ずきん、旅の途中で死体と出会う。』は、クッキーとワインを籠に入れ、ある「目的」を胸に秘めて旅を続ける主人公・赤ずきんが、その道中でさまざまな童話の登場人物たちと出会い、次々と殺人事件に遭遇していく連作短編ミステリーです。

物語の舞台は、魔法使いや魔女、お菓子の家が実在するメルヘンな世界観がベースになっています。しかし、そこで描かれるのはキラキラしたおとぎ話ではありません。人間のドロドロとした欲望や嫉妬、愛憎が渦巻く、本格的なミステリー事件が展開されます。

主人公の赤ずきんは、可憐な見た目とは裏腹に、非常に鋭い洞察力と論理的な推理力を持った名探偵として活躍します。かつて狼に食べられた経験からか、物事の本質を冷静に見抜く力を身につけており、行く先々で出会う童話の主人公たちが関わる難事件を、冷静沈着に解決に導いていきます。

この作品のポイント

誰もが知る童話の世界で「殺人事件」が起こるという斬新な設定
主人公の赤ずきんが、冷静沈着な名探偵役を務める
各章で独立した事件が解決しつつ、全体を通して赤ずきんの「旅の目的」という大きな謎が解き明かされていく二重構造
最終章で全ての伏線が一気に回収される圧巻の構成（感想では「アベンジャーズのよう」との声も）

ミステリーとしてのトリックもしっかりと練られており、童話ならではのアイテム（例：ガラスの靴、お菓子の家、毒リンゴなど）が、ただの背景ではなく、事件の重要な小道具やアリバイトリックとして巧みに使われている点も大きな見どころです。単なるパロディ小説に留まらない、論理的な謎解きが楽しめるエンターテインメント作品として、多くの読者から支持されています。

登場人物と相関図を解説

本作の最大の魅力は、原作のイメージを大胆に覆すユニークな登場人物たちです。ここでは主要なキャラクターの設定を解説します。

主人公：赤ずきん

本作の主人公であり、名探偵役を務める少女。赤いずきんを被り、可憐な見た目をしていますが、その本質は非常にクレバーで冷静沈着なリアリストです。狼に一度食べられた経験からか、物事を深く疑う洞察力を身につけています。

旅の途中で遭遇する殺人事件の容疑者たちに対し、「あなたの犯罪計画は、どうしてそんなに杜撰なの？」という決めゼリフで、論理的に矛盾を突き詰めていきます。

各章の主要人物（原作との違い）

赤ずきんが旅の途中で出会う童話の主人公たちは、原作の清純なイメージとはかけ離れた、強烈な個性や裏の顔を持っています。

登場人物	原作のイメージ	本作での設定・裏の顔
シンデレラ（第1章）	虐げられる健気な少女	したたかで計算高く、王子様との玉の輿を狙う野心家な一面を持つ。
ヘンゼル（第2章）	勇敢な兄	妹のグレーテルを守る意識が強すぎるあまり、歪んだ独占欲を持つヤンデレ気質な少年に。
オーロラ姫（第3章）	呪いで眠る美しい姫	国の王位継承権を巡る複雑な陰謀の中心人物として描かれます。
エレン（最終章）	儚いマッチ売りの少女	貧困から抜け出し、中毒性のあるマッチで財を成した冷徹な実業家として赤ずきんの前に立ちはだかります。

相関図のポイント
本作の相関図は、「探偵役の赤ずきん VS 各章の事件関係者（童話の主人公たち）」という構図が基本です。各章は独立していますが、最終章で赤ずきんの旅の目的が「マッチ売りの少女エレンへの復讐」であることが判明し、それまでの登場人物たちが再び関わってくるアベンジャーズのような展開も待っています。

第1章シンデレラ編の概要

物語は第1章「ガラスの靴の共犯者」から始まります。旅の途中だった赤ずきんは、美しい女性・シンデレラと出会います。彼女は継母たちから虐げられており、今夜開かれる舞踏会で王子様に見初められることだけを夢見ていました。

魔法使いの力でドレスアップしたシンデレラは、赤ずきんを伴ってカボチャの馬車で舞踏会へ向かいます。しかし、その道中で馬車が美容師のハンスを轢き殺してしまう事故が発生します。

シンデレラは「死体を隠して舞踏会に行きましょう」と赤ずきんに提案します。王子様との未来を優先するため、死体遺棄の共犯者になるよう持ちかけるのです。

しかし、冷静な赤ずきんは現場の状況に違和感を覚えます。これは本当にただの事故だったのでしょうか？シンデレラの言動に隠された嘘と、ガラスの靴を使った巧妙なトリックを、赤ずきんが解き明かしていきます。原作のイメージを序盤から鮮やかに裏切る、衝撃的な導入部です。

第2章以降の収録作品一覧

本作は全4章からなる連作短編集です。第1章のシンデレラに続き、赤ずきんはさらに有名な童話の世界で事件に遭遇します。

全4章の収録作品リスト

第1章ガラスの靴の共犯者（シンデレラ）
第2章甘い密室の崩壊（ヘンゼルとグレーテル）
第3章眠れる森の秘密たち（眠り姫）
第4章少女よ、野望のマッチを灯せ（マッチ売りの少女）

第2章では、森の奥にある「お菓子の家」で起きた密室殺人の謎に挑みます。ヘンゼルとグレーテルの兄妹愛が、事件の鍵を握ります。

第3章では、100年の眠りから覚めないオーロラ姫をめぐる王国の王位継承問題と陰謀に巻き込まれます。

そして最終章では、赤ずきんの旅の最終目的地が描かれます。そこで待っていたのは、貧しい少女から一代で大企業のトップに成り上がった「マッチ売りの少女」エレンでした。赤ずきんの本当の目的と、すべての伏線が回収される圧巻のフィナーレとなっています。

各章が独立したミステリーとして面白いのはもちろん、全編を通して「赤ずきんの旅の目的は何か？」という大きな謎が読者を引き付けます。最後にすべてが繋がる構成が見事ですね。

小説「赤ずきん、旅の途中で死体と出会う。」あらすじ以外の情報

読者の感想やレビューまとめ
続編はある？シリーズ一覧
作者・青柳碧人とは
何文庫で読める？単行本との違いも解説
映画や漫画のメディア展開
どこで読める？試し読みはDMMブックスで

読者の感想やレビューまとめ

『赤ずきん、旅の途中で死体と出会う。』は、その斬新な設定から多くの読者の感想が寄せられています。評価はポジティブなものと、一部ネガティブなものに分かれる傾向があります。

ポジティブな感想・評価

最も多く見られるのは「設定が面白く、サクサク読める」という声です。

童話のパロディとして、キャラクターの改変が振り切っていて面白い。
赤ずきんが冷静に犯人を追い詰める姿が痛快。
ミステリーとしては軽めだが、伏線回収がしっかりしていて、最後の話で全部繋がるのが見事。
難しいトリックや重い展開が苦手な人でも、エンタメミステリーとして楽しめる。

（インプットされた感想DB1578より：「全部の話が繋がっていて、最後の話で一気に伏線回収されていくのが良かった。もはやアベンジャーズ。」）

ネガティブな感想・評価

一方で、原作の童話が好きな人や、本格ミステリーを期待する人からは厳しい意見も見受けられます。

童話のキャラクターをここまで改変（特に悪役化）するのは受け入れられない。
ミステリーのトリックや推理過程がご都合主義的で、深みが足りない。
赤ずきんが探偵役として優秀すぎる。

（インプットされた感想DB1578より：「ミステリーとしてもなんとも。」「伏線が少なすぎてイマイチ話についていけませんでした。」）

総評としては、重厚な本格ミステリーを求める人には物足りないかもしれませんが、「童話×ミステリー」というエンターテインメント小説として、非常に高い人気を誇る作品と言えます。まずは気軽に読んでみて、この世界観が合うかどうか確かめるのがおすすめです。

続編はある？シリーズ一覧

本作は非常に好評を博したため、続編が刊行されています。「赤ずきん」シリーズとして確立しており、日本の昔話をベースにした「むかしむかし」シリーズと並ぶ、作者の代表的シリーズとなりました。

現在（2025年時点）の「赤ずきん」シリーズの刊行順は以下の通りです。

刊行順	タイトル	主な題材
第1弾	赤ずきん、旅の途中で死体と出会う。	シンデレラ、ヘンゼルとグレーテル等
第2弾	赤ずきん、ピノキオ拾って死体と出会う。	ピノキオ、白雪姫、三匹の子豚等
第3弾	赤ずきん、アラビアンナイトで死体と出会う。	アラジン、アリババ、シンドバッド等

第2弾ではピノキオが赤ずきんの新たな相棒（？）として登場し、第3弾では中東のアラビアンナイト（千夜一夜物語）の世界が舞台となります。どの作品から読んでも楽しめますが、赤ずきんのキャラクター性を知るために、第1弾の本作から読むのが最もおすすめです。

作者・青柳碧人とは

本作の作者は、青柳碧人（あおやぎあいと）さんです。1980年千葉県生まれの小説家で、早稲田大学クイズ研究会の出身という経歴も持っています。

青柳碧人さんは、既存のジャンルにユニークな設定を掛け合わせる「設定ミステリー」の名手として知られています。

青柳碧人さんの主な代表作

浜村渚の計算ノート：
数学嫌いをなくすため、数学テロ組織と女子中学生が数学バトルを繰り広げるミステリー。デビュー作であり、人気のシリーズです。
むかしむかしあるところに、死体がありました。：
「一寸法師」や「浦島太郎」など、日本の昔話をベースにしたミステリー短編集。本作の日本昔話版とも言える大ヒット作です。

本作『赤ずきん、旅の途中で死体と出会う。』は、「むかしむかし」シリーズの成功を受け、西洋童話をテーマに執筆された作品です。コミカルな設定ながらも、ロジカルなミステリー展開を描くのが非常に得意な作家さんです。