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『神に愛されていた』あらすじと感想をネタバレなしで解説

『神に愛されていた』あらすじと感想をネタバレなしで解説 あらすじ・要約
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爾チレンの小説『神に愛されていた』が置かれた書斎のデスク。コーヒーカップとメガネ、ペンとノートも見える。窓の外には雨が降り、翼を持つ女性のシルエットがぼんやりと映っている。

こんにちは。あらすじブックマーク、管理人の「おうみ」です。

木爾チレン先生の『神に愛されていた』、すごく話題になっていますよね。この作品のあらすじを検索してみると、同時に「結末」や「感想」が気になったり、なぜか「編集者 すみれ」とか「ヨルシカ」といった、一見関係なさそうなキーワードが出てきて「どういうこと?」と混乱したりしませんか?

才能をめぐる二人の女性作家の強烈な関係性を描いたヒューマンミステリーと聞いて、私も読む前は「ドロドロした話なのかな…」と構えていたんですが、読み終えた今は、まったく違う景色が見えています。

この記事では、『神に愛されていた』のあらすじをネタバレなしで追いながら、読者の感想や「ヨルシカ」といった関連キーワードの謎まで、スッキリ解決していきますね。

この記事で分かること
  • 『神に愛されていた』のネタバレなしあらすじ
  • 二人の作家(登場人物)の関係性と物語の構造
  • 読者の感想とタイトルの切ない意味
  • 作者である木爾チレンについて
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『神に愛されていた』あらすじ(ネタバレなし)

まずは『神に愛されていた』がどんな物語なのか、その骨格となる部分から見ていきましょう。この作品、単なる人間ドラマじゃなくて、「ヒューマンミステリー」と定義されているのがポイントですね。

物語の核心を掴むあらすじ

着物姿の年配女性が椅子に座り、感情的に何かを語っている。その背後には蝶のような光の翼がぼんやりと見える。向かいにはスーツを着た若い女性編集者が、真剣な表情でノートに書き込んでいる。

この物語、スタートから一気に引き込まれますよ。物語は現代から始まります。

かつて「美貌と才能」で文壇の寵児(ちょうじ)となった作家・東山冴理(ひがしやま さえり)。しかし、彼女は人気絶頂のさなか、突然筆を折り、なんと30年間も世間から姿を消していました。

彼女の隠遁(いんとん)生活を破ったのが、一人の女性編集者。新作の執筆を依頼する編集者に、冴理は「私には書く権利がないの」と頑なに拒否します。

でも、編集者は引き下がりません。「それは三十年前――白川天音(しらかわ あまね)先生が亡くなったことに関係があるのでしょうか」と、物語の最大の謎に触れるんです。

この問いをきっかけに、冴理はついに重い口を開きます。そして、編集者にこう問い返すんです。

「あなたは、誰かを殺したいと思うほどの絶望を味わったことってあるかしら」

…この一言で、これが単なる人間ドラマではなく、人間の暗い感情が渦巻く「ヒューマンミステリー」だということが伝わってきますよね。

ここから、冴理の告白という形で、物語は「30年前の過去」へと一気に遡ります。

すべてを狂わせる「天才」の出現

暗い屋根裏部屋のような空間で、女性が不安げにこちらを見ている。彼女の背後には、窓辺で手を取り合う男女の姿がある。女性の背中には光る蝶の翼が生えている。

冴理自身、母親との複雑な関係やその火事での死という重い過去を背負い、「書くこと」に執着して小説家としてデビューしました。

しかし数年後、彼女の前に「天才」が現れます。

  • 冴理の高校文芸部の後輩、白川天音が「天才小説家」として華々しくデビュー。
  • 天音は、冴理が持ちえなかった、あるいは冴理を遥かに凌駕する圧倒的な才能を持っていました。
  • さらに、冴理が関係を持ち、想いを寄せていた男性までもが天音に惹かれ、二人は結婚。子供も生まれます。
  • 才能も、愛する人も――すべてを天音に奪われたと感じた冴理の「羨望と嫉妬」は、公式のキャッチコピーにある通り「強大な殺意」へと変わっていくんです。

冴理の告白を通して、「30年前に白川天音はなぜ亡くなったのか?」「その真相は?」という最大のミステリーに迫っていく…これが『神に愛されていた』の骨格となるあらすじですね。

主要な登場人物の関係性

この物語は、二人の女性作家の関係性がすべてと言っても過言ではありません。

東山 冴理(ひがしやま さえり)

若くしてデビューした人気作家。才能がありながらも、自分を遥かに凌駕する「天才」天音の出現によって、嫉妬や狂気といった「影」の部分に飲み込まれていきます。物語の前半は、主に彼女の視点で進みます。

白川 天音(しらかわ あまね)

冴理の後輩で、「天才小説家」。冴理の視点からは、才能も愛もすべて手に入れた「光」の存在として描かれます。物語の冒頭では「30年前に亡くなった」最大の謎の中心人物です。

この二人の「才人」と「天才」という関係性が、物語を強烈にドライブさせていきますね。

作者・木爾チレンとは?

この作品を語る上で、作者の木爾チレン(きな ちれん)先生の背景は欠かせないかなと思います。

木爾先生は1987年、京都府京都市のご出身。キャリアのスタートがすごく印象的で、なんと大学在学中に「第9回 女による女のためのR-18文学賞」で優秀賞を受賞されています。

この賞は、その名の通り「女による女のため」の文学賞で、女性の性や心理、その奥底にある生々しい感情を深く描く作品が選ばれるものです。デビュー時から一貫して、女性の内面にある複雑さや、時には狂気とも言える部分を描くことに長けた作家さんなんですね。

その後、ボカロ小説やライトノベルの執筆も経験されていて、このジャンルで培われた「キャラクター造形の巧みさ」や「鮮烈な二面性の描き方」も、木爾先生の大きな武器だと思います。

大ヒット作『みんな蛍を殺したかった』

木爾チレン先生の名前を一躍有名にしたのが、2021年に刊行された『みんな蛍を殺したかった』(二見書房)ですよね。人間の暗い部分をえぐるようなあの衝撃的なミステリーは、大きな話題となりました。

本作『神に愛されていた』は、その大ヒットの後に「待望の最高傑作、降臨!!」と銘打たれて刊行された作品です。期待の高さがうかがえます。

R-18文学賞出身の「女性心理の深掘り」と、ライトノベルで培った「鮮烈なキャラクター描写」。この二つが融合した本作は、まさに木爾チレン先生の“真骨頂”と言える作品じゃないかなと、私は感じています。

物語のジャンルと出版社・文庫情報

本作のジャンルは「ヒューマンミステリー」です。データベースの情報によれば、公式のキャッチコピーが「過剰な嫉妬は、やがて強大な殺意へ…」となっていることからも、単なる嫉妬劇ではなく、人間の暗い感情が引き起こすサスペンス要素が色濃い作品だということがわかります。

『神に愛されていた』は、2023年10月に単行本が発売され、2025年10月に待望の文庫版が発売されました。出版社はどちらも同じ実業之日本社から刊行されていますね。

単行本とは表紙デザインが変わったり、価格が手頃になったりするのが一般的です。どちらで手に入れるか迷うのも、読書の楽しみの一つですね。

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『神に愛されていた』あらすじ深掘りと読後感

日本家屋の室内で、雨が降る庭を背景に男女が手を取り合っている。女性の背中からは光る蝶の翼が生えている。二人は真剣な表情でお互いを見つめ合っている。

さて、ここからは『神に愛されていた』のさらに深い魅力と、読者の感想、そして検索で出てくる謎のキーワードについて解説していきますね。本作の最大の仕掛けは、ここにあると私は思っています。

物語の二視点構造と魅力

この作品、公式のあらすじでは巧みに隠されているんですが、実は「二部構成(デュアル・ナラティブ)」になっているんです。

前半が「東山冴理」の視点で、天音への嫉妬と苦悩が描かれます。

そして、後半が「白川天音」の視点で、同じ時間が語り直されます。

これが本当に見事で…。冴理の視点で「なんてひどいことを!」と感じていた共感が、天音の視点になると「え、そっちもそんなこと考えてたの!?」と、物語がガラッと反転するんです。

「全然見え方違って面白かった」というレビューがありましたが、まさにその通りで、この二視点があるからこそ、単なる嫉妬劇ではなく、切ない「すれ違いの物語」として深みを増しているんだなと感じました。

読者の感想・レビューについて

本『神に愛されていた』を抱きしめながら涙を流す若い日本人女性が、ソファに座っている。横にはコーヒーカップとスマートフォン、そしてランプが置かれたサイドテーブルがある。

この作品、読者からの感想も本当に熱量の高いものが多くて、読んだ人の心を強く揺さぶっているのが伝わってきます。

心が握りつぶされるような展開が続いて、しんどかった」「久々に本を読んで涙が出た」といった、感情を直接揺さぶられたという声が非常に目立ちます。

ただ、単に「ドロドロの女のバトル」として消費されているわけではないのが、この作品の深いところですね。

読者感想のポイント

  • 「ドロドロのバトル」というよりも、「嫉妬や羨望、希望や絶望を覚えるほどの人に出会う」ことの意味を問いかけられる物語。
  • 物語のラストについては、「最終楽章は絶望でもあり、同時に救いにも感じられた」という、一見相反する感想が寄せられています。
  • 「不器用なすれ違いの末に辿り着いた結末には確かな救いがあった」とも評されていて、単純なバッドエンドでもハッピーエンドでもない、深い余韻を残すことがわかります。

そして、読者レビューの中で私が特に注目したのは、「あとがき」に関する言及が非常に多かったことです。

必読:「あとがきも込みでの傑作」

「あとがき(単行本と文庫)も必ず読んでほしい」「このあとがきも込みでの傑作小説でした」と、強く推奨するレビューが複数ありました。

これは、著名な作家の町田そのこ氏が寄せた「この作品は、まさしく木爾チレンそのものだ」という推薦文とも繋がってくる部分ですね。

どうやら「あとがき」には、作者である木爾チレン先生ご自身の、「作家」としての葛藤や野望、不安が赤裸々に綴られているようです。

つまり、この『神に愛されていた』という物語は、単なるフィクションとしてだけでなく、作者自身の告白の書という「メタフィクション」的な側面も持っている…だからこそ、本編と「あとがき」を合わせて読むことで、作品の持つ本当の重みと切実さが伝わってくるんだと思います。

ヨルシカとの関係は?

『神に愛されていた』と検索すると、関連キーワードに「ヨルシカ」と出てくることがありますね。

私も気になって調べてみたんですが、結論から言うと、木爾チレン先生の本作とヨルシカの間に直接的な関係性(タイアップや主題歌など)は見当たりませんでした。

おそらくですが、ヨルシカの楽曲には『神様に愛されている』というタイトルのものがあったり、文学的なテーマを扱う楽曲(例えば『月に吠える』など)が多いため、タイトルや雰囲気の類似性から検索エンジンが関連付けている可能性が高いかなと思います。

あくまで別の作品として楽しむのが良さそうですね。

『神に愛されていた』あらすじとタイトルの意味

最後に、『神に愛されていた』のあらすじを最後まで読んだ上で、このタイトルの意味について考えてみたいと思います。

一見すると、「神に愛されていた」のは、圧倒的な才能を持った「天才」白川天音のことのように思えます。

でも、物語を読み進めると、その「神の愛(=才能)」を持っていたが故に、彼女は冴理の強烈な嫉妬と執着の対象になり、悲劇につながっていきます。

つまり、このタイトルには「神に愛されること(才能を持つこと)は、祝福であると同時に呪いでもある」という、痛烈な逆説が込められているんじゃないかなと、私は感じました。

そして、冴理の天音への嫉妬や憎しみも、あまりに強すぎるが故の「愛」の裏返しだったのかもしれません。

そう考えると、「神に愛されていた」のは天音だけじゃなく、天音という「神(天才)」に歪んだ形で愛されてしまった冴理の物語でもある…と。読み終えた後、このタイトルの切ない意味に胸を締め付けられました。

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